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013 株式会社ジュネス

すべてのジャンルのエンターテインメントを網羅する「株式会社ジュネス」
外国人・ハーフ・日本人の大人と子どもが在籍。豊富な人材で、多様な広告需要に対応する
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平成28年に移転した現在の事務所。ビルの2Fをワンフロア型にし、専属モデルやタレントがコミュニケーションをとりやすい雰囲気に生まれ変わりました

事務所探訪第13回は、「株式会社ジュネス」です。昭和43年に同社会長の髙倉邦子氏がモデルクラブとしてジュネス企画を設立。その後、平成21年にモデルやタレントのマネジメントなどを行う事業会社として同社を分社化しました。同社には、外国人やハーフ、日本人のモデルやタレントが所属しており、大人だけではなく子どもも多数在籍しています。最近では、日本人の専属モデルやタレントの中から、2.5次元舞台で活躍する人も多いとのこと。

現在所属するモデルやタレントは2000名以上。「さまざまなエンターテインメントに対応できる事務所」として多ジャンルのニーズに多くの人材を提供する同社の強みを、「株式会社ジュネス」のModel Sec.部長である吉澤和樹さんにお話をうかがいました。

■ 50年前、若い人が活躍できる場として前身の会社を発足

Model Sec.部長 吉澤和樹さん。専属モデルやタレントのキャリア展開について重視し、そのためのコミュニケーションも積極的に行っています

ジュネスの前身の会社はジュネス企画という会社です。発足は昭和43年なので、今年でちょうど50年になります。その後、平成21年6月11日に株式会社ジュネスが発足しました。グループ会社というわけではなく、当社の社長が二代目を継ぐ際に、モデル事業に特化するため、代替わりという形で分社化しました。

ジュネス企画は、現会長の髙倉邦子が“モデルクラブ”という業態で、百貨店で化粧品を売る、今でいうキャンペーンガールのような形を全国で展開していました。「ジュネス」はフランス語で“若者”という意味があり、若い人たち、また当時増えていたハーフの子が活躍できる場をつくるという意味もあったようです。その後、『non-no』や『CanCam』といった雑誌モデルも手がけるようになりました。外国人やハーフのモデルが入ってくるようになったのは30年くらい前、さらに20年くらい前に日本人の子どもモデルも扱うようになりました。現在では、都内近郊のモデル事務所では珍しいと思いますが、外国人、ハーフ、日本人の大人、子どもといった6カテゴリーの人材がそろっています。

このようにカテゴリーが増えていったのは、「モデル事務所であること」が基盤になっているからです。当社の場合、劇団やプロダクションとは違い、お客様からの要望のほとんどが広告案件。たまたまハーフのモデルが当社に入り活躍するようになると、ほかにはいないかという問い合わせがあり、そういったご要望に合わせていくうちに、扱う人材も増えていきました。

エントランスやミーティングスペースのガラス面には、所属するモデルやタレントの写真が掲示されています。写真は定期的に入れ替えを行っています

■ モデルの垣根を越えて俳優として活動する人も

外国人やハーフの場合は複数の事務所への登録が可能な登録制という形をとっており、現在2000~2500名の登録があります。日本人モデルの場合は専属制で、大人も子どもも必ず専属契約を交わします。こちらは現在、大人は約70名、子どもは約150名が所属しています。

当社では、6カテゴリーのモデルやタレントを活動内容ごとに「JUNES」「JUNES PRODUCTION」「Jhalf」「Jex MODELS」「Signboard40」「JUNESMODELS.COM」とそれぞれのサイトで紹介しています。日本人の大人モデルの中には、芸能的な活動もしたいという希望をもっている者がいるので、モデルやタレントを紹介する「JUNES」のサイトと、芸能セクションで活躍する者を紹介する「JUNES PRODUCTION」の両方で掲載するようにしています。

同社がいち早く進出した2.5次元舞台など、専属モデルやタレントが出演した作品のフライヤーが、ミーティングスペースの一角に設置されています

モデルとしてやっていくのは大変な世界です。東京コレクションに出たいという希望があって来る子もいますが、コレクションデビューできるのはほんのひと握りの人だけ。また、最近の雑誌ではアイドルがモデルをすることもあり、さらに雑誌の数が少なくなっているため、どんどん活躍の場が小さくなってきています。そこで基本はモデルだけど俳優もできる、ミュージカルにも出るなど、モデルの垣根を越えて活躍の場を広げていく子も出てきました。活動していくうちに、だんだん俳優やタレントの仕事もやってみたいと思うようになってくるのでしょう。

最近では2.5次元舞台が非常に多く上演されるようになりました。2.5次元は演技や踊りよりアニメ的なビジュアルが重視されるので、モデルがキャスティングされることが多くなっています。2.5次元舞台の始まりは『テニスの王子様』からですが、当社はその頃から人材を輩出しています。現在も『ハイキュー!!』など多くの2.5次元舞台に当社のモデルたちが出演しています。

■ マネージャーは現場経験者がほとんど

オープンな雰囲気の事務スペース。10名という少数精鋭の体制で、モデルやタレントのマネジメントを行っています

現在スタッフは14名。うちマネージャーが10名で6カテゴリーを兼任しています。モデルやタレントを一人ずつ担当する形ではなく、カテゴリーごとに複数担当するという体制です。

ちょうど15年くらい前は、需要のほとんどが外国人やハーフでした。大変需要が高かったので、英語を話すことができる人限定で新卒も募集していました。今でも英語が必須であることは変わりませんが、中途採用のみです。

また、現場経験者も採用するようにしています。現在は、もともと俳優をめざしていた者や、テレビ局のADをやっていた者など、前職ではなんらかの形でエンターテインメントに携わっていた人間が多いですね。当社はジャンルが多いので、全員同じように動くというよりは、現場の経験をもとに臨機応変に対応できるようにしたいからです。

■ モデルたちとのコミュニケーションを重視したオフィスに

現在当社では、モデルとの「会話」を大切にし、一から専属モデルやタレントを育てていこうとしています。そのために重視しているのが“モデルとのコミュニケーション”です。登録モデルと電話やメールだけで済ませて顔を合わすようなこともないと、モデルたちの人となりがつかめないことが多くあります。契約の形態上、それは仕方がないことなのですが、専属モデルには、極力事務所に来てもらうようにしています。また花見やハロウィンパーティーなどのイベントを開催して、仕事以外にも来られるような環境をつくり、コミュニケーションをとるようにしています。

モデルたちとのコミュニケーションを図るため、さまざまなイベントを開催しています

オフィスもコミュニケーションを意識したつくりにしています。以前は3階建てのビル1棟を借り、カテゴリーごとにフロアを分けていましたが、現在の場所に移転したのを機に、ワンフロア型にしました。そして事務所の入り口を入ってすぐにミーティングスペースを設け、ミーティングスペースと事務スペースの仕切り戸は上半分をガラスにしていますので、事務スペースから誰が来たのかすぐにわかるようになります。オープン型のオフィスにしたことで、モデルたちも来やすくなりました。新人の子が来たときでも、事務スペースからミーティングスペースを見られることで、スタッフ全員が確認することもできますしね。

また、ミーティングスペースの棚は可動式になっていて、裏面には全身が映る大きな鏡がついています。大工さんにオーダーメイドで作ってもらったものです。棚を動かせば、ミーティングスペースを細かく分けられるようになりますし、裏返せば、モデルたちのレッスンスペースとして使えるようになっています。

明るく開放的なミーティングスペース。壁側の棚が可動式となっており、必要に応じて空間を区切ることができます。裏面には大きな鏡も作りつけられています
事務スペースからは、ミーティングスペースが広く見渡せるようになっており、モデルやタレントが気軽に来られる雰囲気となっています

■ 時代によって変わるニーズ、それに合わせつつ“バランス”をとる

時代の移り変わりによって媒体の種類も変わってきており、それに伴い需要も変わってくるので、当社もかなり影響されています。ここで大切なのが“バランス”だと思っています。

5年くらい前はハーフの子どもの需要がすごく高かったので、ウエイトを置いていたときもありましたが、どこかに突起すると不利益になり得ることがあることを感じています。例えば、今は日本人の子どもモデルが活躍していますが、あまりここに力を入れると、世間から見たら子役事務所という見方になり、大人の部分が薄れてしまいます。突起した部分によってほかが薄くなってしまうのです。時代のニーズに合わせて、力を入れる部分に対して上手に舵を切っていく、突起させすぎないようにバランスをとることを工夫していかなければならないと、社内でも話しています。

■ デジタル化の波で出てきた掲載期間のグレーゾーン

当社が公開している「取引ガイドライン」については、5年ほど前に日本モデルエージェンシーで作られたものを、ほぼ同時期から当社でも使っています。仕事によっては、この業界をあまり知らないお客様もいらっしゃるので、そういう場合に非常に有効です。

最近難しいと思うのが掲載の期限ですね。広告案件の場合、多いのは代理店、制作会社、キャスティング会社からの依頼なのですが、プロですし、各権利などもきちんと扱ってくれます。その中でも、ここ10年くらいでさまざまな媒体がデジタル化されることが多くなり、掲載期間が曖昧な形になってしまう例も多いです。大手の場合はきちんと管理されていることが多いですが、自社のホームページには掲載されていなくてもYouTubeには残ってしまっている状況などがあり、わかった段階で削除依頼をしています。ただ、取引条件を当社だけ厳しくするというわけにもいかないので、案件によって柔軟に対応するという形になりますね。

■ 専属モデルやタレント向けにワークショップを開催

専属モデルやタレントのワークショップの様子。モデルというスタンスを守りつつも、広告やCMにも対応できるようにしています

専属モデルやタレントにはワークショップを行っていますが、大人と子どもによってそれぞれ内容を変えています。

大人モデルのワークショップでは、外部から監督やプロデューサーの方を講師として招いています。何も知らずに、まっさらな状態で所属になる子も多いのですが、まったく演技をしたことがない子でも、いきなりCMオーディションに行かせるということもあります。そこで、講師の方には広告やCMに対応できるような演技指導など、オーディションを想定した内容でお願いしています。

キッズモデルの場合は、現場マネージャーが行っています。模擬オーディションという形で架空のオーディションを想定し、壁越しにお母様方に聞いてもらいながら、ほかの子がどうやっているかを聞くことで、上手な子の真似をしてもらうようにしています。当社では、子どもらしい自由な形を出せればいいと思っているので、その子のやりたいという気持ちをグッと押してあげることがベストだと思っています。

方法と引き出し方さえわかれば、どう自分を出せるかというのは自然とわかってきますので、あとは実践でやってもらうことが一番ですね。

■ 専属モデルたちの先を見据えたプランを提示できるようにしたい

最近は、新人発掘のための募集や応募が難しい時代です。以前のようにたくさん履歴書が届くようなことはなくなりました。そこでスカウトでは、例えば、ワタナベエンターテインメントさんが開校しているカレッジや、スクールなどで行っているオープンプレゼンに行かせていただくほか、モデルコースがある専門学校に出向いて、当社の需要に合う子をスカウトしてくることがあります。

スカウトで重視しているのはやはりビジュアルです。見栄えとフィジカル的なものを見て、「こういう広告に出ていそうだな」と広告商品との一致性を重視しています。マネージャーをしていると、「この子は車っぽい」「この子は家電製品っぽい」「この子は食品っぽい」というのがわかってきます。機械系の広告に出ている子は、食品に向かなかったりすることがあります。また、「住宅向き」という子もいて、最近ではマンションの販促用ビデオの案件が増加し、当社も一家族分の人材を求められることがありますが、6カテゴリーあり、人材も十分なので何組でも対応可能です。そのような向き不向きなどの感覚は割と大事にしています。

また、日本人の大人の専属モデルは、事前に、芽がありそうな子を"完成商品"として、モデルやタレントになるように、育成に力を入れていきたいです。

さらに、その先のことも後押しできるようにしていきたいと考えています。モデル、タレント、俳優の垣根を越えて活動している者も増えており、モデルから舞台に行く道筋はできてきましたが、そこから先、映像に出ていくのはまだ難しいものがあります。今後どうしていきたいのか、その先のプランを描けるようにしていきたいですね。

■ モデル事務所としてバランスを重視した人材をそろえていく

会社全体の方針としては、やはりバランス重視です。外国人、ハーフ、日本人の大人、子どもの6カテゴリーを、バランスをみながら、例えばバラエティに外国人の需要が高くなったら対応できるようにしたいですし、子役の需要が高くなればそれに対応できるようにしたいですね。

最近はインターナショナルな広告が増えてきています。ウェディングの広告でも、お嫁さん役がハーフの女性という場合も。そうなると出席者の役も外国人だったり、ハーフの子どもが必要だったりします。そんな需要にも当社だったらすぐに応えられます。東京オリンピック・パラリンピックもあり、これからますます需要が高まることも予想されるので、そうしたインターナショナルな部分にはこれからも携わっていきたいと思います。

当社の場合、6つのカテゴリーがあり、専門業というよりもショッピングモールのような事務所です。当社の指針、目標は「すべてのジャンルのエンターテインメントを網羅する」。さまざまなジャンルをバランスよく時代に合わせて輩出できるようにしたい。ジュネスに連絡すればすぐに応えてくれる、業界にとってそんな位置づけでありたいです。

 

株式会社ジュネス ホームページ http://www.junes.co.jp/
JUNES PRODUCTION ホームページ http://www.junespro.com/
Jhalf ホームページ http://jhalf.jp/
Jex MODELS ホームページ http://www.jexmodels.com/
Signboard40 ホームページ http://www.signboard40.com/
JUNESMODELS.COM ホームページ http://www.junesmodels.com/

 

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